液晶に代わる画期的な電子ディスプレイ
IT media:電子ペーパーを綴る“魔法の粉”もうすぐ実用化
超低消費電力/インクのようなメモリ効果/フレキシブル性/動画も可能な応答速度/紙に近づくための低コスト化、といった“電子の紙”となるための高いハードルを超えることのできたデバイスは、残念ながらまだない
電子ペーパー(ペーパーライクディスプレイ)といえばE Inkなどが有名でしたけど、このたびフラットパネルディスプレイの展示会「FPD International 2004」で、ブリヂストンが出展した「QR-LPD」(Quick-Responce Liquid Powder Display)というものは、理想の電子ペーパーに限りなく近いといわれているらしいです。さて、その理想形とは?
粉流体の光の反射で表示を行うため、液晶のような偏光板/反射板/バックライトが不要となり、シンプル構造ゆえに超薄型化が可能
超薄型化が可能ということよりも、偏光板/反射板/バックライト不要というのが非常に驚きです。液晶は反射せずにむしろ影を生むものですからね。バックライト不要なら省電力化にもつながりますね。
E Inkなど、他の電子ペーパーに採用されている電気泳動方式と絶対的に異なる点は「応答速度の速さ」だ。電気泳動方式の応答速度が数十〜百数十ミリ秒と非常に遅く、動画用途には不向きといわれているのに対し、粒子が空気中を移動する電子粉流体は液晶(10ミリ秒前後)よりも高速な0.2ミリ秒というスピードで白黒の切り替えが行えるため、液晶を超えるスムーズな動画再生も可能
アニメ「ほしのこえ」に出て来た新聞紙がちょうどそんな感じで、一面の記事の写真が動画になってました。ま、あちらはカラー動画だったのでこちらの電子粉流体とはまた別物になりますけど、白黒のみながら動く新聞が可能というわけですね。
と思ってたら、どうやらカラーも可能らしいです!
カラーフィルターを使用したり粉流体自体に色をつけたりして、カラー化も技術的には十分可能
いつもこの手のハイテク系ニュースで妄想ばかりが膨らんでしまうのですが、4〜5年後には動画再生も行えるペーパーライクディスプレイを作っていきたいとのことで、案外実用化は早そうです。個人的には新聞や書籍での利用よりもむしろ、マイノリティ・リポートに出て来たポスターのようなものが街中に貼ってある図を想像してしまいます。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2004年10月25日 22:16