Apple製品はテレビにコミットする必要があるのか?
おなじみCNETの記事iMacは○、iPodは△--アップルの新製品、海外ブロガーの評価分かれるより、米ブロガー達のiMacへの反応
Appleがテレビとの統合を今以上に進めない限り、Apple製品を中心としたエンターテインメントシステムに移行することはないと嘆いている
Appleはそういう事しないんじゃないでしょうかね。ソニーのような、HDレコーダーやテレビを製造・販売しているメーカーならやって当然ですが、AppleはあくまでMacをハブとした製品展開しかしないと思います。それは今回発表されたiMacを見れば明かでは?
ネタフルの新しい「iMac G5」発表、「Front Row」とは何か!?にて、名言とも思える一文がありました。
これ、iMacが丸っきりiPodになっていると思いません?
たぶんそういうことなんですよね。Appleが目指しているのは、アンテナ線を挿したテレビ受像機やビデオ録画機との親和性ではないんです。それらの代わりにインターネット回線とiTunesがあるんですよね。電波の代わりにインターネットを利用したコンテンツ配信に目を向けているんです。
現状では通信環境の貧弱さやiPodの解像度から、QVGA(320×240ピクセル)での配信が精一杯でしょう。そこだけを見て落胆したり批判的になったりするのは少し違いますね。考えてもみれば、PC上でのVGAサイズ(640×480ピクセル)の動画再生は10年も前から可能でしたが、それをインターネットで普通にやりとりできるようになってからまだ5年も経っていません。数年先を想像してみれば、取るに足りない問題ですね。
以前Macでハイビジョン鑑賞!? Quicktime7とH.264でHD映像配信を実現!というエントリーにてお伝えした通り、QuickTimeでのHD解像度の映像配信が既に実験的に行われています。QuickTime 7をインストールされている方はApple — QuickTime — HD Galleryをご覧下さい。非常に大きなファイルサイズですのでダウンロードはかなり待たされますが、待ってでも見るだけの価値はある綺麗な映像です。これが10年前なら、同じ待ち時間でも160×120ピクセル程度のブロックノイズだらけの映像しか得られなかったですよね。
1Gbpsといった超高速回線が家庭に普及するまでどれほど時間がかかるか分かりませんが、Appleは第二次ブロードバンド化の波を虎視眈々と狙っているのでしょうね。
現在ハリウッドまでをも巻き込んで、Blu-ray陣営とHD DVD陣営との次世代DVD規格の闘いの真っ最中ですが、そこで無駄に消耗することなく闘いを制するのはAppleなのかもしれません。次世代DVDの観賞には、新しく次世代DVDプレーヤを購入しなくてはなりません。もちろんハイビジョンテレビも必須ですね。しかし、1280×720のHD解像度を満たすPCモニタなら既に普及していますし、iTunesもQuickTimeも無償配布されています。あとは回線速度の向上を待つのみ、ただそれだけです。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年10月15日 11:16