バカチョンの語源と懐かしいビデオカメラの話
さきほど「人はなぜ一眼デジカメを買うと被写界深度を浅くしたがるのか」にて「ビデオカメラというのはスチルカメラと違って昔から、コンパクトモデルでもエントリーモデルであってもそれなりの絵作りが出来るように作られているのが好きなところ」などと書いた。
本当の意味でバカチョンのビデオカメラが普及したのは、安価なフラッシュメモリのMPEGカメラが出始めてからだが、それ以前に全く無かったかというとそうでもない。8mmビデオ時代にはソニーから一機種だけ、当時流行った「写ルンです」のビデオ版的なバカチョンカメラが発売されている。それがこの初代ハンディカムCCD-M8という機種。http://www.sony.jp/event/sonyfesta/nnbc/ccd-m8.html
当時は、でっかいベータカムやセパレートタイプのビデオカメラの中、世界最軽量約1kgという軽さを実現した画期的なハンディカムでした
若い人は知らないかもしれないけど、8mmビデオ登場以前にはセパレート型というのがあった。カメラ本体とは別に、鞄みたいにVHSデッキを肩から下げて撮影したのだ。恐ろしく重労働(笑)だから8mmビデオの初期のテレビCMは、宇宙飛行士が無重力船内で8mmビデオカメラを持って浮かんでるという、軽さを強調するものだった。
その当時のバカチョンのビデオカメラといえば、8mmビデオ以外にもうひとつ画期的なものがある。それがこのPixelVision PXL2000というトイ・カメラだ。(画像クリックにて拡大)
このPixelVision PXL2000というカメラの何が画期的かというと、映像を音楽用のカセットテープに記録すること!しかも白黒映像で、確か120分テープ使っても数分しか記録できなかったと記憶している。TVとの接続はアンテナ線経由、価格は3万円台じゃなかったかな…?DVカメラが5万円で買える現在のことを考えると、単なるガジェットの価格としては腑に落ちない額だが、当時はハンディカムが平均18万円程度だったので、案外庶民の懐にも優しい製品だ。
いまでもマニアがいるらしく、PixelVisionで撮影した映像をアップしているサイトがあった。
http://www.deuceofclubs.com/w/wagvid/veni.htm
監視カメラっぽくて、なかなか味のある映像なので価格によっては入手したいところだが、そもそも市場にあまり出回ってなかったようで、かなりの入手困難アイテムらしい。
今うちにHi8のビデオカメラがあるんだけど、これもHi8じゃなくて普通の8mmビデオモードで撮影して孫くらいまでダビングしてやると、なかなかいい味が出て来る。CCD-V800という発売当時はフラッグシップモデルだった機種なんだけど、今となってはこれもガジェットだな。
ところでバカチョンの語源って知ってる?ここのページhttp://kan-chan.stbbs.net/word/pc/chon.htmlに面白い説が載ってたよ。
「バカチョンカメラ」という言葉について言うなら、「馬鹿でもちょんでも」使えるカメラという語源が定説かと思われる。一説によると、英語で同じ意味のvacation camera(いつでもどこでも気軽に行楽に使えるカメラという意味)を和訳する時、単に「バケーションカメラ」と音訳するのではなく、「馬鹿でもちょんでも」と引っ掛けて「バカチョンカメラ」としたという。語源には様々な説があり、「バカでもチョンと押せば写せるカメラ」の略であるという説もある
なるほど、VACATIONをローマ字読みにしたわけか!目から鱗だ。
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投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年3月 3日 22:39