ハイビジョン化に潜む憂鬱
先日「アニメのレンダリングにもSETI@homeな方式で」にて、HD映像(ひらたく言えばハイビジョン)の制作に関して、CGだと非常にレンダリング時間を食うという事にチラっと触れた。
単純に面積比が4〜5倍なら、レンダリング時間も4〜5倍かかるわけで、密度的な面では3Dのレンダリングなんか「印刷物かよ!」とまではいかないまでも、それに近い嘆きが聞こえてきそうな感じ。加えてフレームレートは2倍。つまりザクっと見積もって、現在のSD映像の10倍程度の計算時間にはなるよね。あれこれ含めるとさらに膨らむと思う。
ま、そのへんはマシンパワーとか分散レンダリングとか、金で解決できそうな問題(じゃあ、制作費も10倍になるか?というと、絶対にならないとは思うけどw)。問題なのはHD化というより、ワイド画面化のほう。
たとえば今季のソニーDVカメラDCR-HC90や、DVD-Rを使うDCR-DVD403は、ワイド液晶搭載が売り。16:9のワイド画面での記録を行うのが目的だ。
最近のテレビはハイビジョンじゃなくてもワイド画面ばかりなので、この流れは当然かもしれない。
先日、某監督とお茶したときに「うちも来年度からは全部HD化するねん」という話が出た。ま、それも当然の流れとして、さて問題になってくるのは16:9ワイド画面での演出技法に関してだ。
これまでのSDサイズ(4:3)で作ることに慣れ切っているために、16:9での思考法がまだまだ身に付いてないよね、という話になった。横長のフレームだけに、とにかく画面レイアウトが重要になってくる。場合によってはシナリオから覆さなきゃいけない事態にも発展し得る重要な部分だ。件の某監督はTVシリーズのアニメ中心にやっているので、はなから横長画面の映画屋さんとは随分違う映像を作ることは確かだ。今年の重要課題は16:9でのHD時代の演出技法獲得だな。
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DCR-DVD403 S デジタルビデオカメラ(DVD方式)
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年3月 8日 01:15