心霊!? 怪談!? 今年の夏のちょっと怖い話(7)
そのとき、またあの鈴とも風鈴ともつかない音が聞こえてきました。この辺は風鈴が多いんだなと感じました。
よく音に集中してみると、それは割りと高いところ、僕の耳の後方およそ1メートル上くらいから聞こえます。民家の軒先か二階の窓にでも風鈴を吊るしてるのだろうと考えました。
それにしてもよく鳴る風鈴です。1kmくらい走ってもまだ聞こえます。ひょっとするとこの辺の家はどこも風鈴を付けてるのか?とも思いました。それは不思議なことに前方からではなく、常に後方から聞こえてきます。
そして、僕の後ろを走る自転車の車輪の音もまだ断続的に聞こえています。ふと、何かおかしいと感じました。
シャーッという速い回転の車輪の音なのです。ゆっくり走ってる僕を追い抜かないのに、回転音だけは速いのです。
しかもその音も、僕の背中の後ろ辺りから聞こえるのです!!!!
そして風鈴だと思っていたのは、よくよく聞けば、自転車のベルが猛スピードで風を切ったときに鳴らすような響きです!!!
つまり
僕の後方上空1メートルを、猛スピードの自転車が超低速で追いかけているのか!?
これはもはや人間のなせる技ではないと思ったので、ある人に習った、悪い憑き物を振り落とすという方法を用いることにしました。
それは特に難しいことではなく、ただ単に地面の方向に対して、全身の体重をかけて踏ん張る。思いっきり踏ん張って、憑き物を振り落とす、というものです。
僕はありったけの力を込めて「えいっ!」と踏ん張りました!!!
すると・・・
その勢いでブリッとウンコが出てしまいました。
ウンコが・・・
ウンコ・・・・
ウ・・・・・
それ以来、僕の背後からはもう、自転車のベルの音も車輪の回転音も聞こえませんでした。
目の前には、爽やかな夏の朝の空が広がってました。
おわり
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年8月 9日 06:05