伝統は守るべからず、創るもの。薩摩揚げとラーメンに学ぶ
築地にあるという練り物屋さん「佃權(つくごん)」が、二ヶ月に一度くらいの割合で、近所のクィーンズ伊勢丹に出店するのです。
最初はただなんとなく試食してみただけだったんですけども、これがなんともツボにハマる味でして、見かけるたびに買うようになってしまった次第です。
僕の「薩摩揚げ感」を根底から覆したのがコレ。「千代田」と名付けられた、握りこぶし大の薩摩揚げ
薩摩揚げといえば、おでんに入ってるのを引き当ててしまうか、おばあちゃんが数日前に煮しめた鍋から出してポソポソと食べているモノだとばかり思っていましたが、この「千代田」はまるでそんな感じではないです。
練物には違いないのですが、中に入っているのは大きめに微塵切りしたタマネギ。外側にはベーコンを巻いてあるというものです。
ベーコン(肉汁)とタマネギで、しかも「揚げもの」ですから当然、具の相性はとてもよろしいですね。
オニオンチーズブレッドというパンがありますけども、ああいう感じのタマネギ食感ですかね。癖になります。
しかも握りこぶし大の練物ですから、この千代田を一個食べれば、ハンバーグ2個食べたくらいの満足感は得られます。
薩摩揚げと言っても工夫次第で色々できるものだと痛感させられた作品です。
ちょっとググってみましたら、ここの社長、とても良いこと仰ってるんですわ。
?佃權のご紹介
煉り製品はクリエイティブにものを作っていけるもの。伝統は守るべからず、創るもの!
すごいね!
練り製品なんてずっとずっと昔から変わらない姿のものだと思っていたし、ひとつの味をずっと守り続ける保守的な姿勢こそが「伝統」というものだと思ってました。
変わっても、変えてもいいし、創造しちゃってもいいんですよね。
練物ではなくラーメンの話になりますが、荻窪の春木屋の(漫画にもなった)エピソードにも似たようなものがありますよね。探してみたところ、こちらのページにその話が書いてありました。
食糧事情が良くなるにつれ、お客様の舌もおのずと肥えていくものです。同じ味を出し続けていれば?味が落ちたといわれるのは当然です。だからこそ常日頃から味の研究を重ね、時代の変化とともにベースとなる味は変えずに、お客様に分からないように少しずつ味を変えてきました。これを続けることによって初めて?いつも変わらなく美味しいねと言われるのです
自分が毎日食べて飽きるものを、お客さんに出せるわけない
変わらないことは変わり続けること。
時流に合わせ、常にアップデートし続ける。これこそが「変わらない」ように魅せる秘訣ですね。
すごい考え方 ハワード・ゴールドマン 著
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2006年1月10日 18:32