実は中国空軍に勝てない航空自衛隊
なぜ私が空自のFX(次期主力戦闘機の選定)などを気にしているかといえば、それは単に戦闘機が好きだからという理由に他ならないのですが、特に今回のFXはアジアのミリタリーバランスを左右しかねないので関心を持たないわけにもいきません。
作家 大石英司さんの2004年の日記、ページ中程に『中国空軍、その脅威の正体』という項目があります。
詳細については実際に読んで頂きたいのですが、要は、中国のSu-27に勝てる制空戦闘機を日本は有していない上に、保有機体数の上でも圧倒的に不利。米海軍のF/A-18E スーパーホーネットなら互角に戦えるのでは?ということです。
しかし空自には米海軍機の運用実績はないし、あまり海軍機は好きではない様子。そしてアメリカはおそらく、世界最強最新鋭のF-22戦闘機を日本に売ってくれる事になりそうな気配です。
ただし、日本というのは単に「買う」わけではないです。国内の産業発展・技術維持のために、現行のF-15Jにしてもライセンス生産という形で三菱重工が生産しています。
それにより調達価格が跳ね上がる(現地価格の2倍以上、F-15は1機あたり100〜120億円)。
さらに、いくら同盟国とて最新技術を簡単に渡してくれるものではないです。F-15ですらブラックボックスが存在するというのに、最新ステルス技術を用いたF-22などはブラックボックスだらけになるはず。
そんなわけで防技研がRCS模型など作ってみたり、政治的なタイミングの良さでそれを公開してみたりするわけです。
ちなみにF-22のアメリカの調達価格は、日本円にして約156億円。これをライセンス生産したとして、仮にF-15と同じ率で価格が上がるとしたら、1機あたり300億円を超えますね。
さて、そんなものを一体どれだけ調達できるというのか。
中国のSu-27は最終的に300機近い配備数になるようです。対するF-22のキルレシオ(1機あたりの撃墜数)がどれほどになるか分かりませんが、それなりの数を調達できないとインパクト弱いですよね。並行して運用予定の現行機F-15ではSu-27に勝てないようですし。
まあ、お金の問題は置いとくとして、
北朝鮮の問題が大きく取り上げられている間はまだ良いのです。それが解決したら一気に関心が向くのは、これこそまさに一筋縄ではいかない中国の動向だということです。
駐留米軍が移転・縮小した途端に、沖縄周辺が戦略拠点としての重要性を増すという事態が起こらないとも言えないわけですよ。核も空母も持たない、米軍もいないとなると、さて一体何が軍事的抑止力になるのか?
戦闘機の機種選びが大局にどれほどの影響を与えるものかは分かりませんが、やはり勝てる機体ではないと意味がない。スーパーホーネットで五分のドッグファイトをやるよりも、ここはやはりオーバーテクノロジー気味ですらあるF-22を採用しておくべきではないでしょうか。高くつく自国生産ではなく輸入する形で、配備数も多めにしては?
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2006年6月30日 08:28