MyMiniCityこそがUGCの最終形態
twitterなどミニブログの次はこれが流行る?
アクセスさえあれば、手放しで街が育っていくという「MyMiniCity」
jetdaisuke — MyMiniCity
ネットでの反応をみていると一様に「なんだかわからないけど」的な反応が多いが、僕はずっとこのスタイルで何か出来ないかと考えていたので、「MyMiniCity」を見た瞬間に「ヤラレた」と思った。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)というのは、腕に憶えのある人が作って公開するところから、何も出来ない人間でも楽しめる方向に進化し、そしてこの「MyMiniCity」によって「誰も何も作らない」という域に達した。
たとえば文才も根気もない人間は毎日ネットで日記など書けないし、喋りも楽器も下手な人間はMP3を聴かせないし、写真やビデオを人前に公開するという行為が理解できない人間だっていまだに多い。しかもそれらは総じて面倒くさい処理を経て世に出て来るものばかり。
面倒くさいのだ、UGCというやつは。
そこで、ブログはろくに書かないけどソーシャルブックマークやクリッピングを多々するという人は多い。そして、SNSでの濃密コミュニケーションは面倒だと敬遠されがちだが、ニコ動やtwitterに一言書くだけならその面倒さも皆無だ。
特にtwitterなど所謂ミニブログなんて単なる独り言のつぶやきだ。ブログからのダウンコンバートだと捉えると凄まじい簡略化。最初は、これ以上ないほど簡単な仕組みじゃないかとも思ってた。
なぜ、よりシンプルな方向へ進化するのか。それはサービスベンダーがより簡単に、より早く、より多くのユーザーとコンテンツを獲得したいからだ。ユーザーとコンテンツが多ければ多いほどチャンスも多い。Web 2.0的な思想に従えばそうなる。
だからこその「誰も何も作らない」というスタイルが最強なのだ。これぞ最終形態。なにしろ、気付けば街が生成されているのだから、まったく何の労力も要らない。手のかからない植物と同じで、種さえまいておけばいい。いつか訪れる収穫の日まで見もしない。それでも育って行くのだから。
もちろん現状の機能だけでずっと引っ張っていくのは無理だが、少なくともあと何ヶ月かは、何ひとつバージョンアップせずとも加速度的にアクセスが増えるだろう。それから徐々に機能を付け足していけばいい。
UGCサイトで大切なのはとにかく、ユーザーに手間をかけさせないこと。
作らせない、編集させない、考えさせない。同じ程度の楽しさなら、より敷居が低いほどユーザーが増える。
YouTubeなどでは、動画を作らずに観るだけの者が圧倒的に多いだろう。しかしそれは単に通りすがりのユーザーに過ぎず、トラフィックを増大させるだけの存在だ。そういったユーザーを多く集めてもコンテンツの質や量には影響しにくく、せいぜい広告バナーを間違ってクリックしてくれるくらいしか見返りがない。
ところが、MyMiniCityではまずユーザー登録させるところから始まる。登録さえ済めばあとは何もしなくていい。そして、ユーザー登録しないただの通りすがりには、まったく何の楽しみも与えてやらない。にも関わらずその通りすがりですら、コンテンツ生成にしっかり参加させているという仕組。
最初から参加者として見られてるのに、ほんの少しの参加意識すら与えない自然さ。まるで我々の社会そのものじゃないか。もうこれ以上の仕組はないといってもいい。
このあとの展開としてはやはり、何らかの登場人物が出て来るのではないだろうか。アバターでもいい。それらのキャラクターがこれまた勝手に生活して育っていけばさらに面白くなる。UFO信奉者の「地球は宇宙人による遺伝子実験場」的な見解に近いものすらある。手のかからない盆栽。動く箱庭。
今後はこの「ユーザー自身に作らせない」タイプのサービスが増えていくのではないだろうか。「MyMiniCity」が「なにもしないシムシティ」だと例えるなら、同じように「なにもしない○○○」で発想してみると面白いかもしれない。
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投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2007年12月20日 09:20