立体テレビ「BS11」の店頭デモは見といたほうがいい
お得意さまクーポンの期限が年内一杯だったので、冷やかし半分でビックカメラに行ってみたのだが、その入り口で思わぬ収穫があった。
なんと立体テレビ。BSデジタル局「BS11」にて放送中の番組なのだとか(ITmedia +D LifeStyle:ビックカメラ、“立体テレビ”の店頭デモを開始参照)。
メガネをかけて観るタイプだが右が赤で左が青というアレではないよ。サングラスみたいな偏光(?)メガネ。あまりオシャレじゃないメガネなのが玉にキズ。
しかし3Dテレビ番組そのものは、メガネが洒落てないのを相殺してあまりある迫力。私の場合メガネをかけた瞬間が、運悪くバドミントン選手がこちらに向けてスマッシュしたところだった。打たれたシャトルが物凄い速さで飛んで来るのだが、体感的にはもう本当にすぐ近くまで飛び出して来たような印象。反射的に「わっ」と叫びつつ避けてしまい、周囲の失笑を買った。
そんな程度なら数多のアミューズメント施設で体験できると思う方もいるだろう。ところが映画やアトラクション用の映像ではなく、私が今回見たのは普通のテレビ番組が3Dになったもの。どうって事はないただのバドミントンの試合だったのだ。映画作品は非日常的な虚構だが、反対にテレビ番組は日常のリアルを多く映すもの。ということは、両者が立体視される意味もまた正反対の意味だと思って良い。
バドミントンの試合を数分観て、一体私が何を思ったか。
これは従来のテレビ番組を「視聴」から「疑似体験」に変えるものだ。スクリーンに何かが「映る」のではなく、スクリーンの向こう側でまさに「バドミントンの試合が行われている」のだ。これこそ言葉の意味通りのTeleVisionだろう。試合会場のはるか遠くにあるひな壇状の観客席までもが、前後関係をはっきりとさせ存在感を際立たせている。明らかに「空気」がある。
それに慣れてくると2Dしか映せないテレビのほうが、明らかに生理的に不自然だと思うようになる。これは映画のような虚構世界の立体映像では分からなかったことだ。我々の住む世界だからこそ、周囲の空間と同じように立体で見るほうが自然なのだ。
そしてさらに重要なのは、テレビなど要らないと公言していた私が、この立体映像番組が普及するなら欲しいと思ったことだ。このテレビでなら報道番組やドキュメンタリー番組を見てみたい。デジタル、大画面、高画質化などの売り口上はまったく響かないが、立体映像ほどの別世界体験をさせてくれるなら話は別だ。
で、先述ITmediaの記事によれば2008年中にはこの立体テレビが市場に投入されるとのこと。多くの番組が対応しない限りはハードだけ買っても仕方ないが「お隣さんは立体なのに、うちはまだ平面テレビ!?」という事態は避けたいので、これからもせめて情報だけはコマメに追っかけたいところだ。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2007年12月28日 22:41