アドビはなぜiPad祭りに乗ってこないの?
先々月くらいの予定ではいまごろAdobe CS5をインストールしているはずだったのですが、iPadの発売がずれ込んでしまいすっかり後回しになっております(主に金銭的な理由で)。
いま仕事でどちらが必要かといえば、もうiPadのほうなわけです。昔なら一刻も早く新しいPhotoshopを使ってみたかったのですけどね。
先日「アドビは駄々こねるのをやめてiPad用のアプリ開発を急ぐべし」というのを書きました。あらためてtwitterなどでのiPadフィーバーを眺めてみて、そこにアドビが乗って来ないことの違和感をおぼえました。
そもそも僕がMacを使い始めたのはDTVをやりたいという理由からで、その分野には常にアドビのツールがあり、それを使うのが楽しくて仕方がないという時代がありました。まだインターネットも今ほど重要ではなく、起動する目的はPhotoshopやAfterEffectsを使うため。Mac=Adobeといっても過言ではなかったような気がします。
「hello (again)」のときはまさにそうでしたが「hello (again and again)」となる今日(iPad発売日)はアドビとはほぼ無関係な世界でした。
さっきiPad / iPhone互換AppのLayersというペイントソフトを購入しました。文字通りレイヤーが使えます。なんとなくPhotoshopぽいなと思い買いました。アプリ内課金でさらにちょっと支払うとPSD(Photoshop Document)として書き出しができるそうです。
なんでこれ、アドビ以外がやってるんですか?
今までだったらアドビがやってたことだと思いませんか?10万円で売りたいから1000円程度の世界には踏み込まないということでしょうか?でももうゲームのルールは変わったのですから、ここでプレイしないというのは不戦敗じゃないでしょうか。
「KORGに見るiPad時代のものづくり」でも書きましたが『放っておくとどうせ誰かに勝手にやられてしまうので、だったらやらなくちゃ』というところだと思うのです。
それから、過去にいろんな人達から「Photoshopは高すぎて買えない」という言葉を聞いています。事実かどうか知りませんけど、ワレズ被害のぶんが価格に反映されてるとも実しやかに言われていますよね。
そこでよく言われるのが「3,000円にすれば皆買うのに」ということ。
実際にはそれでもワレズが存在する限り買わない人はいるでしょうけどね。でもApp Storeならどうあがいても買うしかない状況下に置かれています。ここに「Photoshop retouch」とか「Photoshop Paint」とか「Photoshop Effect」など機能を切り売りするようにアプリを投入していくことで、色んな人が買うようになるんではないかとも考えます。要らないソフトをいくつも付けてセット販売するよりは健全にも思いますし。
マルチタスク実現の暁にはそういった切り売りが大化けしそう。
また、私はビデオ編集が好きで先ほども「iPadでも動画編集 ReelDirector(リールディレクター)がiPadに対応」などと興奮しておりました。Appleはこの分野に強いですし、iMovieやGarageBandをiPad用に発売してしまえばキラーアプリになり得るのです。しかし手を出さないのは、サードパーティーのやる気を削がないようにという面もあるように思います。
そこでアドビが誇るPremiereやAfterEffectsの技術を投入するというのも良いのではないでしょうか?
今日一日iPadを使ってみて、マウスを使わない日が来るのも近いなと感じたものですから、ぜひともアドビさんにはiPadに向けて何か取り組んでほしいものです。いや、既にやってるんでしょうけどね。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2010年5月29日 01:41