Adobe Premiere Pro CC 2015 からガベージマット機能(garbage matte)が消えた件とその対処法
つい先日Adobe CC 2015 がリリースされました。
NAB Show のときから最新機能だけは追っかけていた私ですが…
▼NAB Show コラム:ラスベガスでアドビの切ったカードにジェットダイスケが驚いた話
無くなる機能については無頓着すぎまして、
いざインストールしてみてから気付きました。
あとの祭りすぎる(笑)!!
ガベージマットという私のなかでは重要な機能がきれいさっぱりバッサリ切られてしまいました。跡形もない(涙)ビデオエフェクトのキーイングのとこに4点、8点、16点のガベージマットがあったはずなのに、その3つとも見当たらない。
ガベージマットとはこのようにビデオにマスクを施す効果なのですが…
これ、マスクの頂点を座標で指示する必要があるため、4点ならともかく16点ともなるとあまりにも面倒すぎるエフェクトだったのです。しかし、座標の数値入力で正確にビシッと切り取りたい私にはうってつけのものでした。
大事なことなのでもう一度言います。
数値入力でビシッと切り取れます。直感的ではないのでいわゆるクリエイター風情には嫌われるかもしれませんが、私の性格と用途では座標指定でできるというのがピッタリなのでした。
一昨日、アドビのイベントにて「Character Animator」という新アプリのデモを行わせていただきました。その際にもアドビの方々に質問してみたのですが解決せず… で、先ほど検索してみたところ、Adobeのフォーラムに以下のスレッドが立っておりました。
▼Why is garbage matte gone in CC 2015? | Adobe Community(Google翻訳)
※なぜかもとの英語ページではエラーが出て、Google翻訳を通すと読み込めたので、リンク先もそうしております。
これによりますと…
すべての効果で利用できるより多くのことができるマスキングツールのために廃止されました
おいおいおい(笑)
しかも翻訳ツールのせいでガベージマットがそのまんま「ごみマットツール」と訳されてるのが物悲しい。いらん子ではなかったのですよゴミじゃないんですよ!
根本的にこの考え方は間違っていてですね、2014から新たに採用されてるマスクは基本的にエフェクトにかかるわけですね。例えばモザイクとかボカシに紐付いてくる。モザイクかけたいんだったら有用なんですけども、単純に(たとえばAfter Effectsのマスクみたいに)エフェクトとは無関係にフッテージを切り抜きたいだけの場合にガベージマット重宝してたんです。
では、Premiere Pro CC 2015 からは単純な切り抜きの際にどうすればいいかというと「クロップ」を使用するのが正解かなと思います。ビデオエフェクトの「トランスフォーム」フォルダに入っています。
「クロップ」を使えば座標ではないですが、上下左右のパーセンテージで四角く切り抜けます。そこにマスクを併用してやることで、思った通りの形状に切り抜くことも可能になっています。
いやあ、良かった良かった。
と思えますかってーの!
座標指定したい場合には何の解決にもなってないじゃん!
でも、これしか解決策が見つからないんだよなあ。
それでね、先述のフォーラムで言われてたのは、2014までのプロジェクトファイルについては、ガベージマット残ってると。当たり前ですけども、すでにシーケンス上で使用されたガベージマットは残されていると。ただし新たにそれを施すことはできないそうです。なにそれ(笑)
そしてまだ2015をインストールしてない方で、ガベージマットが必要な方で、でも2015をインストールしたい方は、『過去バージョンを残したい場合の注意点 | Adobe Creative Station』をご一読あれ。
要約しますと、
Creative Cloudアプリ(メニューバーなどに常駐してるアレ)でアップデートする際に、うっかり押してしまいそうな「すべてアップデートする」はくれぐれも選択せずに、各アプリごとに「アップデート」をクリック。その時でてきた「詳細オプション」にて、「以前のバージョンを削除」のチェックボックスを「オフ」にすると。
そうすることで、2014とも共存できるわけですね。
私いきなり前のめりでMacもWindowsも普段使ってるマシンぜんぶゴッソリと行ってしまったので、業務上いったいどうしますかという事態になっているわけです(笑)
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2015年6月19日 06:38