恐竜、今と昔じゃ大違い
事の発端はこうだ。
息子が粘土でブラキオサウルスを作ったというので、それを見せてもらった。そのフォルムを見て、僕は少しアドバイスした。「ブラキオサウルスの首は前じゃなくて上に伸びてるんだよ」と。しかし、息子の恐竜図鑑に載っているブラキオサウルスは、首が前方のほうに伸びていたのだ!!
●僕が昔読んでた恐竜図鑑
「学研の図鑑 大むかしの動物」
(昭和47年7月初版、昭和53年9月 第30版発行)
●息子に先日買い与えた恐竜図鑑
「フレーベル館 きょうりゅうとおおむかしのいきもの」
(2004年11月 初版第1刷発行)
30年を経て、恐竜についての認識が大きく変わっているというのを実感せずにはいられなかった。息子の世代では、恐竜が温血動物である説や羽毛が生えていたというのは、もはや当たり前の情報になっている。そして、その歩く姿勢も大幅に変わっていれば、細かなディテールも全然違っているものもある。
上の2冊から、ほんの少しだけ、比較してみたい。
■ブラキオサウルスの鼻孔
これは息子が指摘したのだが、昔の図鑑では、鼻孔がいかにも鼻である部分に描かれている。しかし最近の定説では、頭頂部の突起に鼻孔があったとされているのだ。
■ゴルゴサウルスの立ち姿勢
ゴルゴサウルスに限らず、ティラノサウルスなどの仲間である獣脚類は、前屈みで尻尾を使ってバランスをとっていたという説が昨今有力だ。昔の図ではまるで人間のように直立してしまっている。どちらにリアリティがあるかは一目瞭然。ゴジラの着ぐるみが、いかにおかしな物かというのを改めて認識する。
■アーケオプテリクスはもはや鳥類
いわゆる始祖鳥の図だが、昔描かれたものは、鳥のバケモノのような印象。最新の図では、なんとか飛べそうな姿である。
僕らの世代だとティラノサウルスやステゴサウルス、トリケラトプスなどに人気が集中していたものだが、息子によればそれらに加えてもっともクールな恐竜のひとつとして「ミクロラプトル グイ」が挙げられている。ミクロラプトル グイとは、樹上生活を送る小型の恐竜で、初めて羽毛がついた化石が確認された最初の恐竜だ。恐竜類から鳥類へのミッシングリンクを探るうえで最も重要な存在、それがミクロラプトル グイなのだ。
我々が子供の頃に得たコンピュータの知識はとっくに陳腐化して使えないものになってるが、恐竜という分野でも同じだと感じた。この際、童心に還って太古の巨大生物に想いを馳せ、勉強し直してみるのも良いのではないだろうか?
「恐竜大図鑑?よみがえる太古の世界」ナショナル・ジオグラフィック
「恐竜大図鑑 古生物と恐竜」デーヴィッド・ランバート他 (著)
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2004年12月26日 00:00