死とSNS
「口コミと遺言と」という記事にて、mixiでも遺言サービスやったら?という事を書いた。
先日あるmixiユーザーの女性が、自殺をほのめかすようなmixi日記を書き、案の定「死なないで」というコメントが周囲から殺到した。「私はここにいる」という事が発信できるなら、「私は消えてなくなります」という予告も出来るわけだ。既にmixiは遺言的な使われ方をしていたのだ。その女性はなんとか自殺は思いとどまってくれたようだ。
しかしその数日前、別のmixiユーザーの女性が自殺したという残念な報告もあった。どちらの女性もmixiでは鬱病のコミュニティに参加していたようだ。
自殺には犯罪と同じように、模倣や流行という性質がある。SNSというのは、希薄な肉体感覚の上に緊密な精神の融和を成立させる事が容易だ。故に自殺の流行を後押しするのではないかと危惧している。また、ネット利用の集団自殺というのも度々発生しているが、そのためのツールとしてSNSが利用されないとも限らない。
話は変わるが、KNN神田さんは、お母さんが亡くなったときに、その亡骸の写真をmixi日記で公開していた。
そこで「本物のジャーナリストだ」というようなコメントも付いていたのを記憶しているが、僕のなかでは神田さんがジャーナリストから芸人に変わった瞬間だった。それは芸人の飛び道具だ、と感じたのだ。
死について伝えることと、遺体写真を見せることは必ずしも同義ではない。神田さんが遺体の写真を掲載した真意については知らないが、これはケータイから即座に「感情」を公開できるmixi日記ならではの出来事だと思う。
青少年のための自殺予防マニュアル 高橋 祥友 (著)
中高年自殺?その実態と予防のためにちくま新書 高橋 祥友 (著)
うつ病をなおす講談社現代新書 野村 総一郎 (著)
自殺の危機とカウンセリング?自殺念慮への対応とディブリーフィング 下園 壮太 (著)
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年1月 2日 01:46