僕がQuicktimeを愛してやまないわけ
ビョークのサイト内のこのページに、ゆっくりと点滅する「Medulla Player」と書かれた円形のFLASHボタンがあるのだが、それをクリックすると左図のような不思議な形のウィンドウが開く。(画像クリックにて拡大)
そしてビデオクリップの再生が始まるのだが、実はこれQuicktimeのメディアスキンという仕組を利用している。
Quicktimeのメディアスキンの特徴は、他のプレーヤーのスキンが、プレーヤー自体に被るものであるのに対し、Quicktimeの場合はムービー自体にスキンを適用できるという点。だからこそ、ビョークのビデオクリップのように、プレーヤーのスキンには左右されない、配布ムービー独自のスキンで飾ることができる。作り方についてはAppleのページに書いてあるので、参考にされたし。
【参考リンク】QuickTime — チュートリアル — メディアスキン
※惜しむらくは、1ビット画像のマスクしか持てないため、スキン外周が美しくないということだ。
Quicktimeではひとつのムービーに複数のメディアをレイヤーとして内包することが出来るので、ビデオ映像の上にFLASHで作ったオリジナル再生ボタンを施すといった事も簡単だ。また、テキストトラックにてタイムコードに沿った字幕を施すといったことも出来る。これはテキストデータなので、CODECの影響を受けない。即ち、劣化しないサブタイトルの挿入が可能だ。また、時間の概念を持たないQTVRトラックの上に、時間軸を持ったFLASHアニメーションのレイヤーを再生させるといった事も出来る。「.mov」という拡張子は「movie」から転じたものだろうが、いまやQuicktimeは単なる動画に留まらず様々な要素が詰まっているのだ。3GPなど携帯電話向けのMPEG4動画をオーサリングするにも、最も身近で安価なツールだ。
【参考リンク】au:ムービー付きページを作ろう(EZムービー)
昔はWEB上での映像配信といえばQuicktimeムービーが非常に多かったのだが、ここ数年、圧倒的にWindows MediaとRealが多いように見受けられる。FLASHのFLVも加わって、さらに熾烈なシェア争いが起きているが、Quicktimeがそういった事とは無縁に見えるのは、玄人好みの総合的・圧倒的なオーサリング能力にあるだろう。アウトプットが別のメディアであったとしても、そこに至る経路には多々Quicktimeが存在している。表面的なつまらない事に左右されない、しっかりとした基盤を持っているあたりがなんとも男っぽくてカッコイイと思うのだ。
●QuickTime GuideBook (著)姉歯 康
●らくらくQuickTime入門?すぐわかるQuickTimeムービーの作り方
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年2月14日 01:07