人はなぜ一眼デジカメを買うと被写界深度を浅くしたがるのか
今日はいい天気だったので、やたらと画家や写真家だらけの石神井公園にテクスチャ素材の撮影に行った。
写真撮ってるうちにふと思ったんだけど、そういえば最近はデジタル一眼レフで写真撮ってる人が多いけど、WEBにアップしてあんの見るとどうもやたら被写界深度が浅いものだらけだったりするよね。そういう傾向はどうなのだろう?今まで意識してなかった世界とか操作できなかった世界に踏み込むと、猿みたいにやたらヤリまくるのが人の常だからか。(それにしても皆どうして一眼デジカメ欲しがるんだろう?銀塩の時代はコンパクトしか使ってなかった人も多いんじゃないの?)
というわけで、デジタル一眼レフ買った人の傾向を真似して撮影してみた(笑)早い話があれだ、寄らば大樹の影ってやつだ。新芽とか花とか樹にとまった虫とかさ、樹に寄って撮っちゃえばこうなるわな、っていう撮り方だな。被写界深度が云々というか、これはただのマクロ撮影なわけだがw 電柱とか瓶とかグラスでもありがちな感じ。できれば背景にも何かドラマを仕込んでおくと良いよね。(画像クリックにて拡大)
しかしまぁ、どの程度ボケさせるべきかという課題が常につきまとうわけで、ボケさせたら上手く見えるから、という理由だけでぼかすのはどうも。このカモの写真は、歩いてるカモをパンで追いつつシャターを切ったので、それなりに背景がボケていてくれる。
ここでのポイントはカモの模様は擬態だということ。もし擬態していることを伝えたければ、あまり背景をボケさせてしまうと擬態に見えないし、逆に画面全体にばっちりフォーカスしてしまうと本当に擬態してて見えにくい。ほどよく調整しなければ伝わらないという諸刃の剣。(画像クリックにて拡大)
ハトのように小さくて動くものを撮影するとなると、非常に難しいことになる。動いてほしくないのにクルックー・クルックーと、やたら小刻みに体の各部が動きまくる。なのでシャター速度変えると、他のパラメーターも要調整。そのうえで、寄ったり退いたりというトライを繰り返しているうちに怪しまれて逃げられてしまう。静物でリハしてからトライするのが良いかもしれない。5枚撮ってがっちりピンが合ったのが3枚だけで、うち1枚は目に陽光が刺さって変な反射、もう一枚はハトのポーズが気に入らず、使えそうなのはこれだけだった。(画像クリックにて拡大)
※ちなみに上のカモについては、ちょうどオバちゃんが餌付けしていたので警戒心が無く、非常に近くまで寄ることができた。動物の写真を撮る際には可能なら、餌付けなどで飼い馴らしておくのも手かもしれない。ただしヌード撮影にあたって被写体を飼い馴らしたりすると、あとで面倒かもしれないので要注意。
さて、表現における被写界深度の重要性はさておき、被写体にフォーカスして背景をボケさせておくと、とても良いことがある。
(1)レタッチソフトで被写体を切り抜きしやすい
(2)WEB公開時、JPEG圧縮するときファイルサイズが小さくて済む
Photoshopなんかで人物を切り抜くとき、マグネットなんたらとかマジックなんたらとかで、色の境界を認識しやすいので、比較的作業が楽になる。縮小して使用する場合とかはパスとらなくても、そういうので十分使いものになる。
JPEG圧縮時のファイルサイズが小さくなるのは、ボケた背景だと色数が少ないとか描画要素が少ないとかそういう理由だよね。同じ圧縮率でもボケるほどにファイルサイズが小さくなる。
以前ネタフルに[N] 被写界深度とは?というエントリーがあったので、詳しくない人は読んでおこう!
さて、今回の撮影に使用したカメラは一眼でもなんでもなく、このハンディカム(DCR-PC350)の静止画機能。ビデオカメラというのはスチルカメラと違って昔から、コンパクトモデルでもエントリーモデルであってもそれなりの絵作りが出来るように作られているのが好きなところ。
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投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年3月 3日 19:27