JR西日本とアイヒマン実験
例のJR西日本 福知山線の事故に関して、Hardcodedさんの「これからの企業人」のありかたというエントリーより
社員一人一人の資質を責めるのは簡単です。しかし、より大きな問題とすべきはそうした行動を社員に取らせた会社の制度あるいは文化という「暗部」であり、それにきちんと目を向ける必要があるのは間違いありません
さて「暗部」とはなんぞや?
有名な心理学の実験にアイヒマン実験というものがあります。アイスマン(ヴァル・キルマー)じゃないですよ、アイヒマンです。権威と服従の心理に関するもので、平たく言えば、人がいかに簡単に権威に屈するかを証明した実験です。たとえ法や道徳観から逸脱していたとしても。
雇用主の立場を利用して従業員を盲従させることなど朝飯前だということです。ひとたび忠犬に仕立て上げれば、たとえ事故車に乗車していても救助作業には参加せず、普段通り出社して業務を遂行するということです。こういう社員は3日徹夜しろといえばします。
行動規範を社会から会社に変えてやればいいだけのことなのです。それだけでシステムの歯車として上手くはまってくれます。
何を責めるというわけでもないです。人というのは、そういう性質を持っているということです。ヒトがサルだった時代から、群れのボスは絶対だということです。
だからこそ、ボスの資質が重要だと思うのです。事がスムーズに回れば独裁でも恐怖政治でも構わないのですが、それをやる責任を認識してほしいものです。
余談ですが、これらのことはSMの基本ですね。
転職サイトの広告などで、スキルアップと年収アップを結びつけてたりしますが、そういうのを見ると日本にはまだまだ働きアリが多いなと感じる次第です。
手っ取り早く人の上に立つなら、サディストになればいいだけですから。
まあ、それを良しとしたところに、ああいう大惨事の元凶があるわけですが。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年5月 4日 20:21