心霊!? 怪談!? 今年の夏のちょっと怖い話(6)
大きな道へ抜けようと彷徨っている間、ときおり鈴とも風鈴ともとれるような音が鳴っていました。おそらくは、飼い猫の首輪の鈴か、民家の風鈴なのではないかと思い、それほど気にもしてませんでした。
さて、彷徨った挙げ句に、ようやくいつも通ってる道に抜け出ました。
ふと気付けば、もう空が明るい。というより、あの袋小路だけが暗かった。やはりあの場所は異常だったんだ、と実感しました。
そしてしばらく走ったところで、警察官が立っていました。空が明るくなってきたとはいえ、まだ未明ですから、暗いといえば暗いです。一人の青年が自転車にまたがった状態で、警察官からいろいろと質問されているところでした。
やはり無灯火で呼び止められたのでしょうか。僕のライトも既に電池切れでしたから、呼び止められたらイヤだなぁと思ってたんですが、そしたら警官がこちらを見て、そしてバッチリと目が合ってしまいました。
こりゃ僕も呼び止められるだろうな、と覚悟しました。しかし、警官の口から出た言葉は意外にも
「おはようございます」
だったのです。
拍子抜けしました。僕も「おはようございます」と返して警官の前を通り過ぎました。なんで呼び止められないのだろう?とライトを見てみたら、なんとまた点灯してる!!!なんで!?
その二秒後くらいです、警官がふたたび「おはようございます」と同じトーンで繰り返したのが後ろから聞こえました。
僕のすぐ後ろにも誰か自転車に乗った人がいるんだろう、と思いました。シャーッという自転車の車輪の音が何度か聞こえていましたし。
しかし、僕はかなりゆっくりしたペースで走ってました。すぐ後ろにいるなら、追い越されても不思議ではない速度です。なのに、なかなか追い抜いてはくれませんでした。バックミラーは付けてないので後ろを確認できず、もし変な人だったらどうしよう?とも思い始めました。
そのときです!!
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年8月 9日 05:29