アーティストじゃない方がアートに近いのかもしれない
日本全国・見たいもんはみたいぞの会:書く気をなくしかけてたガンダム展レポート。より
JDと生穴子なんて食いながら話していたわけですが、アートそれもメディアアートの分野に片足でもつっこんでいる人たちはホント今難しいところにいますね。
というわけで、これからどうすんの?という状況です。
大学時代、あるビデオアート作家の教授が授業中に、「いま見るとつまんないけどね」と言いながら、自身の過去の実験映像作品を見せてくれたことがありました。
「いま見るとつまんないけどね」というのは、謙遜でも照れ隠しでもなくて、ほんとのほんとに真実です。実験映像の類いはアヴァンギャルドな技法開発という意味も含んでますから、いずれ陳腐化してしまうものです。CGが手軽に出来るようになる前は、ビデオフィードバックなんてものでも面白く感じてたりしたものです。
去年、あるビデオアートばかりを上映しているカフェのフライヤーをもらいました。作家さんの名前は失念したのですが、365日をビデオで記録したという作品が紹介されていました。
これまさに、いまVlogで行われていることそのものなんですよね。しかもVlogのほうは一年を撮りためることなく、オンタイムで進行していくぶん面白い。
昔だったら、同じ作家同士で技法が広まっていく程度だったと思うんですが、今だと、作家以外のもっと広い層にそれが伝播するわけです。Vlogなんてものはまさにそれで、テクノロジーに後押しされて一作家の発想し得る範疇など遥かに越えて飛躍していくわけです。
こうなったら、もはやアーティストなんて不要だとも思えてしまいます。実際のところそうなのかもしれないです。はてなやmixiや2ちゃんねるやTypePadの方が、所謂アートとして作られた作品よりもずっと大きな感動を生むわけです。今現在もっとも偉大なアーティストは誰かと問われれば、僕は迷うことなくスティーヴ・ジョブズの名を挙げますね。
【関連リンク】
ICCはもうなくなってもいいと思うだ。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2005年9月 8日 06:47