ビデオポッドキャスティングのファイルサイズを軽減する方法についての考察
これまでPodStyle.tvにて自分の映像作品の配信を行っていまして、新たにニフティの方からもなにわともあれなるビデオポッドキャスティングをリリースしたのですが、これらは基本的に映像作品を見せるというスタンスなので、ファイルサイズ云々よりもまずは最良の状態で映像を配信することが前提となっていました。
しかし先週、トーク番組としてジェット☆ダイスケSHOWをテスト的に始めてから、このタイプの番組では画質や音質ということよりも伝達すべき情報のほうが重視されるため、ファイルサイズをいかに小さくして配信するかという事が大切だと感じるようになりました。ユーザー側の通信環境、こちら側のストレージ容量などなど、ファイルサイズを小さくすることでのメリットは多々あります。
具体的な方法としては、
(1)圧縮効率の良いコーデック(CODEC)を利用する。
(2)動画の画面サイズを小さくする、フレームレートを抑える。
(3)番組の長さを出来るだけ短くする。
といった事が考えられます。
コーデックに関しては現状ではH.264以外には考えられないですね。それほど優秀なコーデックだと思います。H.263の半分程度のビットレートでも、同じような画質で配信できてしまいます。ただしこれは、QuickTime7以上が必須ですから、Windows MeやMacOSX 10.2以下のOSは切り捨てになってしまいます。
つぎ、動画の画面サイズを小さくするということについては微妙なのですが、内容を伝えるうえで問題ないのであれば、小さければ小さいほど軽くなって良いでしょうね。映画やハイビジョンのように広大な風景の中に人物をポツンと配置するような構図は向いていません。テレビ番組よりもさらにクローズアップにするくらいが良いと思います。
ちなみにこれまでのジェット☆ダイスケSHOWは、一般的なビデオポッドキャスティングの画面サイズであるQVGA(320×240ピクセル)よりもさらに1/4の面積である160×120ピクセルのサイズにしてあります。面積比(ピクセルの数)が1/4に減るのですから、理論上はビットレートを1/4にしてしまっても構わないことになります。ちなみにジェット☆ダイスケSHOWは32kbpsまで映像のビットレートを落とすことが出来ました。
フレームレートを下げることについても検討が必要ですね。あまり細かい動きのタイミングが必要とされないのであれば、中1コマか2コマ間引いても差し障りないのではないでしょうか。通常は30fps(29.97fps)のフレームレートのものを、半分の15fpsに落としたところで、ネット配信の映像というのはさほど印象は変わりません。10fpsや7.5fpsまで落ちてしまうとさすがに気付くのですが、カメラ固定で動きの少ないものならそれでも構いませんよね。iChat AVでの会話を録画したものなどは、その程度までフレームを間引いて良いとも考えています。
最後に、番組の長さを出来るだけ短くするという事ですが、これについては最も大きな効果が得られるのではないかと思っています。
コーデックにもよりますが、20分のものが10分になれば単純にファイルサイズは半分になると考えて良いでしょう。自分のことを振り返ってみると、わりとダラダラと思いつくまま喋っているので、きちんと構成し、台本もある程度は整えておくと、同じ量の情報を伝えるにしても現在の半分くらいの尺で納まると考えています。
また、飛び道具的な手法としてひとつ提案したいのですが、物理時間を圧縮してしまうというのも有りではないでしょうか。
昔、ビデオデッキなどで流行りましたけども、録画した番組を2倍速で再生して見るというものがありましたよね。あれと同じことをやるのも良いかと思います。
ただし、ほとんどのDTVソフトでは、映像の速度を2倍速にすると音声のピッチが上がってしまい、高い声になり聞き取りにくくなってしまいます。これを回避する方法として、Logic ProなどのDAW(デジタルオーディオワークステーション)ソフトに一旦音声を書き出して、ピッチを変更せずに再生時間だけを半分に縮めるというのは如何でしょうか。
単に等倍で速度変化させていくのなら、ピッチも2倍、3倍と上がっていくだけなので、GarageBandのような安価なソフトでも、ボーカルトランスフォーマーなどのピッチ変更エフェクトで対応は可能ですね。
Logic Pro
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2006年1月21日 02:09