視聴者のいないテレビに広告がつくだろうか
トラバいただいた「kaku-log: 「テレビ局は番組ではなくCMありきらしいよ」論争」と、newsingでのコメントを読んで、ちょっと思ったことなどを。
「金だしているスポンサー様こそ偉いのだ」というのを全面的に肯定する意見もあります。間違いではないですが、ある意味でこれは非常に怠慢だと思うんですよ。
ことウェブに関しては、ユーザーにとって良いコンテンツを作っている、良いサービスを続けているところに、多額の広告費が落ちてくるという事例も多々あるわけです。
そうなるとむしろ「広告を出してやってる」という立ち位置ですらありますね。いやな広告主なら無理に載せなくていいし。そういう強い立場を確保できてこそメディアとしての中立性も生まれるというもの。スポンサー等に尻尾ふる犬にはそれは無理。
また、広告主にとってのお客様は誰かと言えば、まぎれもなく広告を見て購買行動に出る視聴者なわけです。
いま目の前にちらついてる現金は明らかに広告主の財布から出て来るわけですが、もとをたどれば商品を購入した視聴者の財布から出ているわけで、本気で広告主様のことを思えば、視聴者を無視したコンテンツ作りはできないはずですね。
ちなみに僕は大学のとき映像を専攻していたのもあって、テレビ番組やCM制作を行う会社から内定を頂いてました。
卒業も間近の頃、その会社に遊びに行ったとき技術者の人と話していて、ある何かに関して「プロってすごいですね」みたいな事を言ったと思うのですが、そしたらその技術者の方が「手は抜けないよ、だって日本中の同業者が見てるんだから」と誇らしげに言いました。
その瞬間にサーッと冷めて、その会社は蹴りましたよ。いくら技術者とはいっても、視聴者のことを一番に据えてないのは痛すぎると感じましたから。
自主映画やってたころは、観衆の反応が対価そのものだったのでね。
で、数ヶ月後にマルチメディア制作に落ち着き、その流れでインターネットでの映像配信などもやり始めたというわけ。さまざまな映像配信に携わるようになってかれこれ10年ですね。
その10年、いくらでもテレビ局が開拓する余地はあったのですが、YouTubeの脅威まで手を打たずに来たので今さら焦ってるわけです。僕はそれを鼻ほじりながら楽しんでみてるところ。
まあ、米国でいろいろ大きな動きがあるので、日本の民放も1〜2年で追随するでしょうけどね。そうなってからが、テレビは本当に面白くなるんじゃないでしょうか
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テレビ局は番組ではなくCMありきらしいよ
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2006年8月16日 00:44