豚肉の味噌漬けステーキ
一週間をかけて10枚の豚肉と闘った。
その結果得たのがこの、究極と呼ぶに相応しい豚肉の味噌漬けステーキ
ここに至るまでの闘いの記録を綴る。
大晦日の夕方、近所のスーパーに行く。
豚の味噌漬け肉を売っていた。ごくごく普通の豚の味噌漬け。なぜか無性に食べたくなった。
しかし、夏に秩父で買った肉のみねぎしの味を思い出し、どうせならあの絶品の豚肉の味噌漬けをまた食べたいと思った。とはいえ秩父までは行ってられない。年末年始にお取り寄せしてもいつ届くか分からない。
ならば自分の手であれを超える味を作ろうではないか、
腕前では本職に勝てるはずもない。せめて素材は可能な限りの贅を尽くそう。ということで、ゴールデンポークの肩ロースステーキ肉とソテー用ロース肉を購入。
味噌は麹味噌。キダタロー先生の懐メロ、ああ越中日本海味噌だ。麹が焦げた風味が好きだから。他に理由はない。これに砂糖、酒などを加えて豚肉を一晩漬ける。
ステーキ肉はどう見ても標準的な味噌漬け肉より厚いので、両面とも包丁で網目状に切り込みを入れた。
一夜明けて元旦。おせち?雑煮?なにそれ。今年の正月は豚肉だ。
こちらが焼きあがり。フライパンにサラダ油で焼いた。焦げた味噌がいい色。
とにかく美味い。鍋炊きご飯を二合炊いたのだが、この味噌漬け肉だけでご飯二合すべて食べてしまった。それほどまでにピン立ちおかず。
しかしこれ塩っぱさが尖ってる。切り込みを入れたのが裏目に出たようだ。半熟卵は、味噌の塩分を中和してまろみを加えるために急遽用意したもの。
ということで新たな高みを目指してさらに豚肉を漬けることに。1月3日に無難なロース肉を4枚購入。これは本当にごく普通のノンブランド国産ロース肉。味噌床はそのまま続投。
明けて1月4日、二枚焼いて食べるもいまいち。さらに翌5日に残りの二枚も焼いたが納得いかず。普通のロース肉なら薄いほうが良いらしい。美味いには美味いがサッパリしすぎてつまらない。
ただしこれも無駄ではなく4枚も焼いただけあって、サラダ油よりオリーブオイルの方が合うことや、ステーキよりも気持ち弱火でじっくり焼いたほうが良いということが分かってきた。
5日の夕方、間髪入れずに新しい肉を漬け込む。実家に帰省していた妻子が戻って来た。
今度の肉は初回と同じゴールデンポーク肩ロースステーキ。今度は家族のぶんも含めて4枚。これまで決定的に甘みが足りなかったことから、まずは肉に直接砂糖を振る。
また一晩経って6日の夕食。今回は徹底的に肉表面の味噌をこそぎ落としてから焼いた。焦げた麹の風味は格別だが、肉が焼ける時間とはまったく噛み合ないので、見た目がどうしても黒くなりがちだから。焼きながらもさらにフライ返しで味噌を剥ぎ取っていく。
そうして焼き上がった最終作品がこちら。
味噌の焦げがないぶん、脂の照りが際立っている。
これはもう見るからに美味そうで、実際に美味い。こんなに美味い豚肉の味噌漬けは他で食べたことがない。家族からも大絶賛。
ただ、直に砂糖を振ったせいか脂身の部分の甘みとどうも折り合いが悪い。次からは極力この脂身も削いでから漬けたほうが良いと感じた。
ごちそうさま。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2008年1月 6日 23:10