2008 音楽ガジェット総括 プロローグ
先日のモバイルDTMイベント「オトダスト2」にて最後を締めくくった、私と松尾公也さんのトークショー「2008 音楽ガジェット総括」 ですが、これを3回に分けてこのブログでも追想したいとおもいます。
第一回目は、2008年の音楽ガジェット大流行にいたるまでのプロローグ。まずはトークショーの動画をごらんください。(うちの嫁にカメラをまかせたので見苦しい点はご容赦ください)
2004年以降出荷のMacには全て「GarageBand」というDAW(デジタルオーディオワークステーション)がプリインストールされてます。パソコンの買い替えサイクルを考えるとちょうど昨年末あたりから、稼働しているほぼ全てのMacにてDTMが可能な状態だといえます。
▼Amazon.co.jp: GarageBand — PCソフト: ソフトウェア
また他にも「ReBirth RB-338」のフリーダウンロード化に代表されるように、高機能のソフトウェアが無料もしくは安価で提供され、DTMを始めるにあたり経済的な障壁がほぼなくなっています。
同じくソフトウェア分野では「初音ミク」が、キャラクター性を前面に押出したブランディングにより、ボーカロイドというマニアックな製品の新規ユーザー層開拓に成功しました。
▼Amazon.co.jp: 初音ミク — PCソフト: ソフトウェア
そういった直接的(音楽的)な要素にくわえて、YouTubeやニコニコ動画の隆盛も欠かせません。作品発表の場、そして情報交換の場として、さらにはプロモーションの場としても活用されることとなります。
一方、肝心のガジェット分野においても、音楽への歩み寄りが始まります。
「DSギターM06」「エアギタープロ」「学研大人の科学テルミン」といったものが登場。安価ながらも目をひく、おもちゃと楽器の中間製品。とくに「学研大人の科学テルミン」に関しては、雑誌のふろくとして憧れの楽器テルミンが付くということで大ヒットとなりました。
▼DSギターM-06海外版 JAM SESSIONS
▼エアギタープロ(AIR GUITAR PRO)アコースティックギター
▼大人の科学 テルミンが売り切れ続出
こうした流れでブームの下地が形成されていくなか、2007年11月、時代の幕開けを飾るひとつの製品が登場します。もはや説明不要の「KORG KAOSSILATOR」(カオシレーター)です。
▼KORG KAOSSILATOR ダイナミック・フレーズ・シンセサイザー
このエポックメイキングな製品が音楽ガジェットブームの火付け役となったことは皆さん異論ないと思います。
従来の楽器のような鍵盤や弦をまったく使わない、楽器が苦手なひとたちにも訴求するユーザーインターフェース。ゆびさきでタッチパッドをなぞるだけの直感的操作で誰でも本格的な演奏ができ、これまでマニア色が強かった電子楽器の敷居を一気に下げることになりました。
もちろん動画サイトにも色々と演奏などの動画が投稿されて、人気を後押ししたのは言うまでもありません。
▼簡単なのにカッコイイ、KAOSSILATORで小節を変える演奏法
▼米国版GIZMODOに私のKAOSSILATOR動画が掲載されました
▼Mac雑誌にカオシレーターの記事を書きました
このKAOSSILATOR以降、2008年に入って続々と音楽ガジェットが登場しますが、楽器という概念にとらわれない操作方法をするものがとても多いです。その話はまたつづきで。
つづき:
▼2008 音楽ガジェット総括 前編
▼2008 音楽ガジェット総括 後編
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2008年12月22日 01:42