検証、YouTubeの常に高画質で再生するオプション機能
これまで、高画質版のYouTube動画を見るには、URLに「&fmt=18」を付加しなくてはいけませんでした。
しかしYouTubeにアカウント登録しているユーザーであれば「マイ アカウント ▼ / 動画の再生画質」ページから、3通りの画質設定を選ぶことができます。
再生する動画の画質を選択できます。デフォルトでは、自動的に設定されます。常に低速または高速の接続を使用している場合は、通常使用する接続速度に応じて画質を設定することができます。
設定できるのは以下の三つ
- 接続速度に応じて再生画質を自動的に選択する
- 低速の接続を使用しているので、動画を高画質で再生しない
- 高速の接続を使用しているので、利用できる場合は常に動画を高画質で再生する
さて、一番下の常時高画質になる設定にしてみたところ、かなりのロード時間を要してやっと再生が始まりました。でも、待った甲斐があるほどの高画質。
私のアップしたものだと、以下のリンク先の動画がハイビジョン撮影のものですので、画質の差が分かりやすいと思います。
▼Handycam HDR-TG1 なめらかスロー再生
▼KORG DS-10 実機(?)に触ったよ
設定を切り換えながら見比べてみてください。
ところで、これまでだと高画質の動画を観る際は、URLに引数「&fmt=18」を付加しなくてはいけませんでした。しかしマイアカウントの設定での場合は、低画質・高画質ともに同じURLのままとなっています。この、低画質版、高画質版、そして引数「&fmt=18」を付けた高画質版の3つの動画ファイルを比較してみました。
タイプ | 低画質 | 高画質(引数無) | 高画質 &fmt=18 |
ファイル名 | get_video | video.flv | video.mp4 |
ファイル形式 | FLV | FLV | MPEG-4 |
画面サイズ(※1) | 320×240 | 480×270 | 480×270 |
ビットレート(※2) | 約314kbps | 約896kbps | 約623kbps |
フレームレート(※3) | 29.97fps | 29.92fps | 29.92fps |
動画コーデック | Sorenson H.263 | Sorenson H.263 | H.264 |
音声コーデック | MP3 モノラル | MP3 モノラル | AAC ステレオ |
サンプルレート | 22.050khz | 44.1khz | 44.1khz |
※1 画面サイズは16:9で撮影されたファイルにて比較しました。4:3であれば高画質版は480×360ピクセルになると思います。上の表で低画質版のみが4:3になっていますが縦横比を変えてリサイズされているのではなく、周囲に黒帯が入った所謂レターボックスとなっています。
※2 ビットレートは「Handycam HDR-TG1 なめらかスロー再生」の動画ファイルのものです。他の動画なら当然多少の変動はあると思いますので、ご参考まで。
※3 オリジナルのフレームレートは29.97fps 圧縮効率により変動するので、どれもほぼオリジナルと同じ値を保っていると考えてよさそう。
さて、引数付き高画質版の方のみH.264(MPEG-4 AVC)コーデックと明らかに別物ですが、回線状態による切り換えの方では、低画質・高画質ともにSorenson H.263コーデックが採用されています。
ちなみに高画質版は、引数の有る方も無い方もどちらも同程度の画質。
H.264のほうが圧縮効率は高いので、Sorenson H.263と同じ画質にするなら低ビットレートになります。つまりファイルサイズが小さくなるということ。
また、引数付きの方は音声がステレオとなっています。他はモノラル。
小さいファイルサイズとステレオ音声で、明らかに引数を付けて再生するほうが良い視聴環境といえますね。ただしMPEG-4への対応はFlash Player 9以降となっています。
これは私の想像ですが、回線速度による切り換えではユーザー利便を優先して古いバージョンのFlash Playerにも対応。わざわざURLに引数を足すような酔狂なリテラシーの高いユーザーに向けてMPEG-4を提供しているといったところでしょうか。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2008年4月27日 04:11