コルグDS-10パフォーマンスガイドブック
KORG DS-10ユーザーの皆さんに素晴らしい書籍が登場です。
KORG DS-10 performance guide book
発売日に献本いただいてたんですが、夢中で読みふけっているうちにすっかり書評が遅くなってしまいました。
この本、オールドシンセへの並々ならぬ愛情を感じる一冊。なおかつ初心者にもやさしい。やさしすぎると言っても過言ではない。DS本体の電源投入やカートリッジ挿入から解説しているという、まさに一から始めるにはうってつけのガイドブック。僕なんかもDS-10のためにニンテンドーDS購入した口ですから、こういう心遣いは嬉しいですね。
巻頭からいきなりクライマックスで、既にメディアではおなじみとなった佐野電磁さん率いるDS-10開発陣へのロングインタビューを収録。しかもその節々にまで、DS-10を楽しむ際のヒントやティップスが散りばめられています。
プロローグもなかなか良く、DS-10がドイツで発表されたというエピソードや、名機MS-10をモチーフとしているという解説、さらにはMoogやドンカマチックなどシンセサイザー全般およびコルグという会社にまで言及しているという、単なる技術解説書にとどまらない内容。コラムに登場するYAMAHA QYシリーズなど懐かしのDTMアイテムにもニヤリとしてしまいます。
本編も丁寧で、曲作りの一連の流れに沿って、実際に使えるテクニックやなどをあげながら、ツマミやパッチングなどキモの部分まで具体的に解説。さらには、リズムパターンの打ち込み例までも収録するなど、音楽未経験者にも喜ばしいものとなっています。
また、DS-10で作成したソングを宅録するところまでしっかり解説。紹介されている機材やソフトの一式(しかし安上がりになるよう配慮されている)は、できるだけ良い音でYouTubeやニコニコ動画に公開したいというユーザーにも非常に参考になるのではと思います。
DS-10ガイドブックとしては小谷野謙一さんの「KORG DS-10公式ガイド」もありますが、あちらは位置付け的にはDS-10の有料マニュアル本といった感がありました。もちろんそれも熟読してますが、対してこちらの「コルグDS-10パフォーマンスガイドブック」はまたひと味違ったアプローチでの解説となっており、二冊合わせて読むと「気付き」の機会も増えてより一層DS-10やシンセサイザーへの理解が深まります。
実際読んでいたらいてもたってもいられず、パラメータなどを参考にしつつ二曲作ってしまいました。クリエイティビティを刺激されるというのは良いですね。
というわけで、DS-10と宅録DTMについて知りたいという方には非常にオススメしたい本ですし、僕のようにシンセやDTMというのに長年触れている方でも目を通しておいて損はないと思います。
KORG DS-10 performance guide book
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投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2008年9月27日 14:56