映画「トロン・レガシー」を観た感想
先週末にディズニー映画「トロン・レガシー」を観てきたので感想を。以下ネタバレも少々あるかもしれないのでお気をつけください。
まず前提として、80年代に公開された前作「トロン(TRON)」の続編になります。時間軸的には多分あの映画のしばらくあとなのでしょうが、エンコム社のCEOとなったフリンが息子をのこしてとつぜん失踪します。
まあ前作を観たわれわれはもちろん失踪ではなくコンピュータの中にいるであろうことは予測できます。しかし映画内の世の中的にはそんなこと思うはずもなく、フリン氏が失踪して四半世紀、いまだ行方不明となっております。
そして立派な青年に成長したフリンの息子が、ひょんなことからコンピュータ(劇中ではグリッドと呼ばれる)の中に入って、お父さんを助けるための大冒険をするわけですな。予想どおりの展開というか。
さて、前作「トロン」は世界で初めて本格的にコンピュータグラフィックスを取り入れた映像表現で「あっ」と言わせてくれた作品でしたが、今作「トロン・レガシー」は、今やあたりまえとなったスゴイCGと3Dで同様の世界観を描くというもの。焼き直しというか。
CGはすばらしいですが、映像表現的な驚きは当然ないですわな。昨今の映画ではどれも当たり前のレベルだと思いますから。
ストーリーや世界観の設定なども(約30年前のが下地ですから)真新しいものではなく、むしろ「マトリックスから10年経ってんのにこれ!?」という感じです。そういう意味ではまさにレガシー(笑)
コンピュータ内のプログラム=登場人物たちは背中にディスクを背負ってます。いまやSSDも普及しはじめたというのにまだディスクというのが驚きですね。
もう一度言います
「マトリックスから10年経ってんのにこれ!?」
とまあ低い評価になってしまいがちですが、ところがどっこい音楽のほうは大変良いですね。ダフトパンクによるサントラは素晴らしいものでした。
ていうか、音楽しか気になる点がない!
それほどまでに名作の続編としてバランスを欠いてる「トロン・レガシー」ですが、ダフトパンクは悪くない。むしろ彼らはベストを尽くしてると言えましょう。その証拠に、僕はこれほどまでに酷評しつつも、サントラだけは購入しましたからね。本当に音楽だけは良かった。
ところで今年もっとも良かった映画は「トイ・ストーリー3」でした。年間ベストとワーストがどちらもディズニー映画とは、ずいぶん層が厚いですね。
あ、そうそう、肝心のトロン(登場人物としてのトロン)はデザインが変わりすぎてて誰だか分かりませんでした。いきなり最後に自問自答に打ち克ってフリンらを助けるわけですが、まあほとんどどうでも良い存在になっていました。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2010年12月30日 10:25