ソーシャルブレインズ入門 <社会脳>って何だろう
twitterなどソーシャルメディアの類いは、脳がたくさん集まった状態に見えることがあります。
道具が身体の延長であるならば、自動車やフライングシューズは足、バールのようなものや鈍器は手の延長といえます。では、コンピュータのネットワークは脳のニューロンが延長されている状態でしょうね。
というわけで、社会性という側面から脳研究を扱った本を読んでみました。従来の単体で脳機能をとらえたものとは違う社会脳の研究です。
▼ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう
もう読んでから1ヶ月も経ってしまったのでうろ覚えになりますが、ちょっと感想などをメモっておきたいと思います。
ヴァーチャルリアリティを使って腹に足のはえた生物(シャコとかカブトガニみたいなもの)になる実験のエピソードが出てきます。やってる人間は、はじめは腹筋をぎこちなく動かしたりするみたいですが、次第に腹足の使い方を会得して自在に歩き回れるのだとか。
そこまで大げさなことはしなくとも、ドライバー(ネジ回し)の取り扱いに馴れてくるとまるで手の一部に感じることがあるとか、どうも我々の脳の身体機能のマッピングは人間の体だけにとらわれていないようです。ある日、イルカになってしまっても困らないんですねきっと。
あと詳細は書きませんが、ミラーリングとかも面白いし、よく目にするラバーハンド実験、ミルグラム実験(アイヒマン実験)も織り交ぜながら、これから盛り上がりそうなソーシャルブレインズ=社会脳研究についての現状をよく説明されている本だと思います。
ただ著者の文章がちょっとノリが良くないので、本当はスラスラ読めそうな部分でも、そうはいかなかったりします。そこだけは残念。こういうのは是非ともNHKスペシャル化してわかりやすくして欲しいものです。
▼ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2010年3月21日 15:01