電子書籍「AiR エア」を購入して出版不況が理解できた
「ひさびさにやってしまった。ぶっちゃけ返品したいくらいこれはツライ」そう思ったのは何故だろう?
先日からとても話題になっている電子書籍「AiR エア」というのを購入してみたのです。
「採算が成立」なんてニュースもありましたし、表紙を見るかぎりではデビルマンとかロボットアニメとかエヴァンゲリオン的なものを感じてしまうじゃありませんか。でも違ったんですよ。マンガじゃないんですねこれ(笑)
巻頭にイラストだかアート的なものがあるけども、あとはほぼ文字ばっかりなのです(たまに挿絵あり)。そんな調子で300と数十ページほどあったと思う。
あなた読みますか?そんなに。
僕は読みませんよiPadなんかじゃ。
だから「やってしまった」と思ったのは、内容の良し悪しについてではないんです。だってほとんど読んでないんだもん。てっきり漫画かサブカル系雑誌みたいなものだと思ってたら、テキストだけでそこまで引っ張ってたということにうんざりしたのだと思います。
考えてもみればテレビラジオに映画やゲームといったお気楽お手軽な娯楽はいっぱいあるわけです。世の中テキスト主体のメディアからそういったリッチメディアに移行していった経緯にはワケがあるんですよねやっぱり。
パソコンのほうも同じで、テキスト文化だったものが次第にリッチ化していったという流れはあります。
じゃあiPadはどうかというと、最初からリッチなものだったんです。そしていま最後発組として本屋さんとか文筆家が登場してきたというわけです。
そりゃあ文字ばっか並べてたって見劣りしますよ。
そのうえiPad使うような人間は、140文字で一区切りつかないものなんて誰も読みやしないんだから(笑)300ページもテキスト投下されるとまず「拒否感」のほうが先行します。
文章だけでしか伝えられなかった時代がとっくに終わってるのに、あえてこうして文章だけで乗り込んでくる心意気はすごい男前。でもおかげさまで、僕らは紙離れしたんじゃなくて、活字そのものから離れたんだとようやく認識できました。だってiPad使うなら他にもっと消費しやすいコンテンツあるもんね。
紙もそれは同じで、いきなり300ページ超のボリュームでテキスト渡されるのはドン引きする。漫画や写真集なら消費もしやすいのに。その意味では高城剛氏のiPad書籍は秀逸でしたね。ちょうどいい分量の写真とテキストが配置されている。やはりコンテンツ消費とそのスタイルについてよく研究してると思います。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2010年7月28日 21:01
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トラックバック時刻: 2010年7月31日 02:30