兼六園の真髄は苔だった(3)
金沢・兼六園の苔、さらに深く見てみるとさらに面白みが増してきます。
見つけて「おっ」と思ったのがこの四角い苔マット。まるで芝生を植えたあとのようですね。じつは人為的に植えられた苔が多いのです。
そこにいた職人さんに聞いてみたところ、土のうえの苔はほとんど植えたものだとか。それらが繁殖して樹に付いたり石垣に付いたりするそうです。
そこに根が張り、木漏れ日が光と影のコントラストを作り出し、なんともいえない深い味わいになるのですね。
本当に、苔と根と木漏れ日だけで、まったく見飽きることなく過ごせてしまいます。兼六園のこの魅力に気付くには子供のうちではダメだったんですね。
せせらぎの石垣にも苔がむしております。涼しげで良いですね。この日はとても暑い日でした。
特に下の写真の場所は日本庭園というイメージを超え、悠久の時を感じさせる大地そのものといった感がありました。いや、それこそ日本庭園たる所以か。
石垣の類いとならんで魅力的なのが東屋の屋根です。このひなびた感じがたまりませんよね。
水路に渡した石橋のうえに太い木の根がはって、そして苔が覆うという、一体どれほどの時を要したのか知れない光景です。
これすべて元々が人の手によって造成された庭園なんですよね。この小さなエコシステムのなかで「庭園」であり続けるために常に人の手が加えられ管理されてるのだと思います。僕が見学してるあいだも絶えずいろんな職人さんや掃除の方々が仕事してらっしゃいました。そうでなければ「庭園」ではなくてただの「公園」なのだと思います。
では改めて、載せきれなかった全写真をFlickrのスライドショーとして貼っておきますね。
今回の撮影機材は以下です。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2011年4月20日 17:22