ハイザックというモビルスーツのデザインが語るもの
今日は語らせてください。
ハイザックのデザインはすばらしいのです。
まずなんといっても胸のダクトであります。
いまではおっぱいガンダムスタイルとも呼ばれるこのダクトでありますが、ガンタンク、ガンキャノン、ガンダム、ジムへ脈々と受け継がれるまさに連邦モビルスーツのアイコンと呼んでもいい部分です。
などなどを動画でも熱く語ってみました。
で、話のつづきですが、連邦MSのアイコンともいえる胸部ダクトが、ジオンMSの代表であるザクの胸部にくっついてるわけです。それがハイザックなのです。また、バックパックから二本の突起(スラスター的なもの)が伸びておりますけども、これまたガンダムやガンダムMkIIのシルエットを彷彿とさせるわけです。
だけでなく、シールドには連邦軍の十字マークまで。
倒しても倒しても、あれだけ蟻のようにたかってきたザクが、この7年のあいだに連邦の手に落ち迎合したという印象。それがハイザックの現すものです。
機動戦士Zガンダムの放映までは、ファーストガンダム映画三部作、そしてMSVという展開でブームをつないでおりましたが、いきなり新しい世界の幕を開けたのが、このハイザックのデザインだったわけです。
当時MSVで人気だったMS-06R高機動型ザクを思わせる脚部など、ただのザクではない高性能ぶりを匂わせつつ、きたる未来への期待に胸を熱くしたものです。7年経てば高機動型ザクっぽいカスタム機レベルのMSも量産できるのかと。
それでまた、連邦の手に落ちたザクという印象だけでなく、私ら視聴者の頭が切り換わらないことを見越してのハイザックなのです。なにしろ物語の主人公は地球連邦軍ではなくどちらかといえばジオンの考え方にも近いエゥーゴという組織。
そこにガンダムMkIIを持っていかれたわけですから、対する連邦軍(とかティターンズ)のほうにザク(ザコ)がいないと私らの頭では混乱するのです。やっぱり始まりはガンダムvsザクの絵面じゃないと納得しないんですよね。それをスムーズに受け入れさせる役目がハイザックだったと。
だからZガンダムの物語が進展するとハイザック自体は全く印象に残る出演がございません(強いていえばカスタムハイザックくらいのものでしょうか)。物語序盤にて、早々に新型機マラサイなどにとって代わられます。
だからハイザックは、一年戦争からの7年を表現するためと、私らが原体験として持ってるガンダムVSザクの構図ですんなり世界観に導入するために計算されつくした存在だったのです。
ザコといっても、まず第一話ではリックディアス=リックドム的な印象のMSがグリプスに乗り込むわけですが、そのときのザコ役としては連邦のヤラレメカ代表ジム(そのままの印象であるジムII)でありました。
で、主人公が「黒く塗られた」敵のガンダムMkIIを奪取。そのあとで見馴れたトリコロールカラーのガンダムMkIIが緑色のハイザックと対峙すると。まったく上手く考えられておりますね。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2012年11月11日 01:47