Appleの(今の)ものづくりをいきなり真似したがるのは失敗のもと
歳とったのを痛感してます。
ゆうべ超ひさびさにエレキギターを30分間ほど肩ストラップで下げてたら、今日は左肩が筋肉痛とも肩こりとも言える痛みに襲われているダイスケです。
けさ起きたらデジタルステージ平野さんのこんなツイートがRTされてきてました。
▼http://twitter.com/dsHirano/statuses/201492500148527104
Appleの役員達のインタビューを聞けば誰でもわかる事だけど、彼らは売れるものを考えるとは言わない。「俺たちなら誰よりもうまくやれるはずだ」と言う。世界一うまい方法かどうかだけが重要だ。だから考え抜く。売れるのは唯の結果だ。僕もうまくやりたい。まだまだだけど。
平野さんはそれ相応の方ですからともかく、そうでもないのにこの手の発言をする方をたまに見かけます。Appleの今現在の製品づくりをいきなり目指してしまう人たち。
端で見てて「あーっ」となる事もしばしば。
「そりゃ失敗するわ」と。
ちなみにApple最初の製品はこれです。
▼http://ja.wikipedia.org/wiki/Apple_I
筐体は無く、キーボード、ケース、トランス(レギュレータはオンボード)を自分で用意して組み立てなければならなかった。
なにも最初から iPhone を作って出してきたのではないですから、その辺お忘れなく。
それで、これは断言してしまっても良いと思うのですが、ほとんどの方のお仕事というのは「落とし所」とか「着地点」という名の「妥協点」を探ることではないでしょうか。そして、それが上手な方ほど「デキる」と言われる傾向があると思います。
ですから、その「デキる」人たちがAppleのものづくりについて語り出したらこれは要注意だと、何度も実感してきました。だって真逆なんだよ、たぶん。
ぜひとも「美味しんぼ」第31巻の「究極VS至高 鍋対決!!」を読んでいただきたいと思います。この対決の終盤で描かれる雄山の指摘は本当に素晴らしい。
▼究極VS至高 鍋対決!!<5>
雄山は山岡たちがその気になれば「五大鍋」と全く同じものを出せたことを皆に説明する。ただ、あまりにも誰にでも受け入れられる鍋というものにこだわったことで自分たちを縛ってしまったと指摘する。そしてヘチカンのもてなしの心をもまた、自分たちで誤解したことが禍して、結果としては、逆に大こだわりしてしまい濁ったもてなしの心を抱く結果につながったとも言う。
海原雄山は架空の人物とはいえ、天才ゆえのエキセントリックぶりはスティーブ・ジョブズに勝るとも劣らない勢い。名言「このあらいを作ったのは誰だ」や「ぐらりひとつだけでは、まだ早い」など、自分自身の口からもそれが出てくるのか?それとも「いいや」と妥協できるのか。それを考えてみると、自分の凡庸さが分かってよろしいかと思うのです。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2012年5月13日 22:21