NO NUKES 2012 初日の感想
開演とほぼ同時に到着してたのですが、1組目のアーティスト、アジカンの演奏中はネットでも話題になってた通り、人はまだまだまばらでした。
二組目のアナログフィッシュからは「クラフトワークまではまだまだ長いけど」という発言(笑)そう、みんなお目当てはクラフトワークですよね。でも、アナログフィッシュの演奏はとても良かったです。特に『すべての当事者におくります』というMCに続けての「抱きしめて」はシビレました。
ソウルフラワーユニオンもヴェロシティ高すぎな演奏で、かなり会場をわかせてましたね。
そしてHIFANAが「みんなちゃんとしたミュージシャンなのに、デジタルですみません」みたいなことを言いつつ、圧倒的な音圧で会場を制圧。はっきり言ってこの日のベストアクトだと思います。ワブルベースが電動マッサージ機のように全身を震わせるとは、新たな治療器の発明にすら思えます(笑)いや冗談ぬきで、やや疲れ始めた時間帯だったので、パフォーマンスへの満足感もあり疲労回復に役立ちました。
つぎに感動的だったのは、the HIATUSの演奏。直前の難波章浩のバンドとさほど違わぬ編成で、ここまでスケールの大きな音が出せるのかと。いや、難波さんも良かったんですけども、the HIATUSの音楽の方向性って繊細な上にスピードとスケール感があって良いなと。
で、じゅうぶんに温めてからYMO、クラフトワークへとなだれ込んで行くのですが、YMOの一曲目はなんとクラフトワークの「Radioactivity」でした。細野さんがベース弾きながらヴォーカルをとってました。コーネリアスさんはギター担当。
YMOは何というか、語弊があるかもしれないけども、あまり頑張らず肩の力を抜いて楽しんでる感じがして良かったですね。やっぱり別格でした。
で、お約束の雷電で締めたあとクラフトワークにつづくのですけども、会場にいた女の子が「YMOのあとにクラフトワークって、テクノ史上にも残る」云々とキラキラ目を輝かせながら言ってました。
おもえばKraftwerkというのはドイツ語でクラフトヴェルク=発電所の意味らしいので、脱原発をかかげるイベントにはうってつけですよね。Craft work ではありませんよ念のため。
下の写真は演奏の合間の休憩スペースでありますが、夕方になってくると、昼とは違ってかなりの大人数が来場しておりました。
そして、クラフトワークの直前に流れたDIAMOND VERSIONからの強烈なメッセージ映像。これは必見であります。
で、クラフトワークの感想ですが、やっぱり印象深いのは日本語歌詞の「Radioactivity」ですね。既にさんざんツイートされてるので読んだ方も多いと思いますが、歌詞に「フクシマ」が加わってしまいました。
クラフトワークはなんだかんだで一時間ほどにわたり、アンコールまできっちりと演奏してくれました。途中ベースラインの振幅がズレたりしましたけども、デンタクをみんなで大合唱したのは気持よかったですね。最後の曲は Music Non Stop でした。
それにしても脱原発をかかげつつも、テクノポップの二大巨頭が出てくるあたりで電気必須でありまして、まったく節電の雰囲気は感じないのが21世紀風ですよね。むかし平沢進氏が太陽光発電での演奏にチャレンジしてましたけども、そこまでやってみせるまでもないという事でしょうか。
the HIATUS の曲間のMCにて、原発がなくとも人間はかわりの手段をつくるだろうという旨の発言がありましたけども、おそらくはそういった思想や、じつは脱原発しても電気はまかなえるという考えに基づいているような気がしました。
加えて、ただのひとつもアナログ楽器を使わないHIFANAとクラフトワークが、群を抜いて良かったというのもなんだか印象的でした。これは大いに個人的趣向の入った意見ではありますが、電子音楽と電力というバランス感覚が面白いことは間違いないですね。
さて、今日のオチはこちら。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2012年7月 8日 16:43