QuickTime 7 Proでも高度なビデオ編集をする方法
最近YouTubeを見始めたと思われる方々から「動画編集ソフト何使ってますか」と質問されるのですが、基本的にジェットカットの手法では、昔から変わらずQuickTime 7 Proを利用しています。
言うまでもなく動画編集というのはカット同士をつなぐカット編集が基本ですけども、QuickTime 7 Proであればそれをテキストエディタみたいにコピペ感覚でできます。ビデオブログのような日常の更新を、できるだけ早く手間をかけずに行うには、とても重宝するツールです。
2013年4月現在、Mac / Windows ともアクティベーションキーが¥2,600で販売されてます。以下のリンクはAppleいよるQuickTime 7 Proの紹介ページ。
▼アップル — QuickTime — QuickTime 7 Proでデジタルメディアを自在に変換。
単純にジェットカットのようなカット編集については、東京MXさんで放送された以下の特集をご覧いただくか、
過去記事「QuickTimeで動画をカット編集する方法」をご覧いただくとして、今回はそれ以上の機能も含めてご紹介したいと思います。
こちらの動画になります。
範囲選択
テキストの編集と同様、QuickTimeムービーの編集においても、まずは範囲選択によるコピー/カット&ペーストが基本になります。
画面下部にあるスライダによって、ムービーの任意の箇所を選択できます。この選択範囲をコピー、カット、またはデリートできます。
「ウインドウ」メニューから「ムービーインスペクタを表示」すると、1/100秒単位で時間が表示されるので、より細かな範囲を選択する際に便利です。
キーボードのSHIFTキーを押しながら、矢印キーの左右で1フレームずつスライダを移動できます。
動画のペースト
コピーまたはカットされた選択範囲は、そのムービー内もしくは他のムービー内の任意のポイント(インスペクタが示す「現在の時間」を起点)にペーストできます。ここまでに説明した機能により、いわゆるカット編集が可能です。
画面サイズ
例えば1080pと720pなど、画面サイズの違うムービー同士を編集する場合、サイズを統一してやる必要があります。
まず「ウインドウ」メニューの「ムービーのプロパティを表示」します。
サイズを変更したい「ビデオトラック」を選択し「ビジュアル設定」のタブを開きます。ここでサイズを入力することができます。
また、画面を左右や上下に反転させたり、回転させることもできます。スマホなどで縦に撮影してしまったとき便利です。
静止画の読み込み
静止画ファイルを QuickTime 7 Pro で開くと、QuickTimeムービーとして扱うことができます。動画と同様にコピー&ペースト等による編集が可能になります。ただし1フレームのみですので、コピペなどで尺を増やしてやる必要はあります。
静止画のスライドショー
「ファイル」メニューの「イメージシーケンスを開く…」から複数の静止画(連番ファイル等)が入ったフォルダを開くことで、フレームレートを指定したスライドショームービーが作成できます。
デジカメ写真はフルHDよりもはるかに大きい場合が多いので、トリミングなどしてあらかじめサイズを調整しておいたほうが良いです。
なおMacをお使いの場合は、iPhotoのアルバムからもスライドショーを書き出せます。この場合は、Ken Burnsエフェクトが自動的にかかります。
字幕の挿入
静止画の読込み機能を活かして、字幕を挿入することもできます。Adobe Photoshopなどの画像編集ソフトで用意した字幕の静止画ファイルを、「ムービーに追加」もしくは「選択範囲に追加して調整」することで、レイヤーとして重ねることができます。
静止画ファイルには、あらかじめアルファチャンネルを設けておくと、ムービーのプロパティ「透明度」プルダウンメニューで抜くことができます。Photoshop形式の「PSD」ファイルを読み込むこともできます。
複数のレイヤーを重ねることもできますし、プロパティで重ね順を変更することも可能です。
字幕の挿入その2
テキストエディタで打った文字をコピーし「ムービーに追加」もしくは「選択範囲に追加して調整」することで、より簡単に字幕を作成できます。表示位置はプロパティで調整できます。
ただしバックに黒帯が付くことと、フォントサイズが変更できないので、この方法はお薦めできません。特にYouTubeなどに公開する場合には、文字が小さすぎて読めないおそれがあります。
また、動画のフォーマットによっては字幕が表示されない場合もあります。テキストタイムコードトラックを持ってる動画フォーマットだと、タイムコードと誤認するのかもしれないですね。
ピクチャーインピクチャー(PiP)
静止画やテキストだけでなく動画も、「ムービーに追加」もしくは「選択範囲に追加して調整」することでレイヤーとして重ねることができます。
ムービーのプロパティでサイズと位置を調整してやることで、ピクチャーインピクチャーを実現できます。静止画レイヤーを下に敷くことで、枠線やドロップシャドウなども表現できますね。
BGMトラック
ムービーのプロパティでは不要なサウンドトラックを(もちろんビデオトラックも)削除することもできます。
また音声ファイルを「ムービーに追加」することでBGMを付けることもできます。ただし、個々のサウンドトラックの音量は調節できないので注意が必要です。
書き出し
編集が終わったら、ムービーを任意のフォーマットで書き出すことができます。
QuickTimeムービーとして書き出す際には「オプション」にて様々なフィルターの中から1つだけを選んでかけることができます。
以上が、私が QuickTime 7 Pro を利用したビデオブログで行っているワークフローになります。
字幕テロップであるとかピクチャーインピクチャーに関しては Adobe Premiere などを利用するほうが圧倒的に便利ではありますが、今回は特別に QuickTime 7 Pro でもここまで出来るということをお見せしました。
昔のバージョンではスプライトトラック(Flashトラック)を用いたインタラクティブ機能があったり、Appleからもトランジションなどのツールがいくつか出てたんですけども、近年はiMovieを使わせるためなんでしょうかね、編集機能自体は縮小してます。
ということで今回は、QuickTime 7 Proを利用した動画編集についてでした。まあ高度な編集が可能といっても、カット編集以外ではほかのツールにまかせた方が良い場合が多いですので、これは使いどころによりますね。
投稿者 愛場大介(Daisuke AIBA / Jetdaisuke) : 2013年4月 8日 18:59